令和6年度研究課題

職員による研究調査

3DAモデルを活用した検査業務効率化の検証Ⅱ

 製造業では、三次元 CAD の普及により、国内外において紙図面に代わって 3D データで指示される方向に進んでいる。幾何公差等の製品製造情報(PMI)を 3D モデルに付与した 3DA モデルまたはモデルベース定義(MBD)とも呼ばれる形式での規格化が進んでおり、府内の製造業においてもこれらのファイル形式での発注形式に対応が求められるケースが増えている。
 本研究では、実際に 3DA モデルデータの作成、それらを活用した測定・解析作業効率化の検証、当センターで実施可能な支援の整理、3DA モデルの活用に関する知見の蓄積を目指す。
(基盤技術課 設計計測係)

粒子径と三次元表面性状の評価方法及び相関性についての検討

 微細な粒子を表面に付着させたコーティングの評価に、広範囲での評価が可能な三次元表面性状(面粗さ)での評価をしたいという需要が近年増加している。その需要に対応するため、粒子径によるパラメーターの違いを確認し、どのようなパラメーターで評価すべきかを検討する。
(基盤技術課 設計計測係)

光~電磁波領域における横断測定

 あらゆる分野で材料の高付加価値が進む中、改めて、材料特性から製品設計を進めることが重要となっている。通常、物性値取得のための材料分析の場面では、装置の制約で特定の波長・周波数のみの測定に制限されるが、当センターは全国公設試験研究機関で唯一、電磁波~紫外線領域の設備を戦略的に配備してきたことから、同一サンプルを複数の装置で一気通貫に測定することで、必要なサンプル制約を可視化し、データとして蓄積する。
(基盤技術課 材料評価係・応用技術課 電気通信係)

印刷技術を用いた機能性電磁材料の開発Ⅱ

 5G や次世代 6G 通信等で使用されるミリ波領域やテラヘルツ領域の周波数利用のためには、付随技術として、これらの電磁波を透過あるいは反射する等の機能性材料開発が必要である。そこで簡便な印刷技術を活用し、印刷積層でカスタマイズ可能な新規機能性電磁材料開発を進め、その実用性について検討する。
(応用技術課 電気通信係)

自由空間法におけるサンプルサイズの影響について

 本研究ではミリ波帯の材料評価で用いられる自由空間法について、そのサイズの影響について、系統的に調査・検証を実施する。
(応用技術課 電気通信係)

X 線 CT の撮像データからのアーチファクトの除去

 X 線 CT の撮像において、アーチファクト除去は重要な課題である。現在の装置構成・ソフトウェアにおいて、撮像時にのみアーチファクトの除去が行えるが、撮像により出力される画像データからは除去を行うことができない。このため後からアーチファクトの除去が必要になった場合は、再度撮像からやり直す必要がある。アーチファクトの除去について、撮像後のデータを使用して、アーチファクト除去を行うことを目指す。
(応用技術課 電気通信係)

放射性電磁界イミュニティ試験における電界レベル高強度化の検討Ⅱ

 放射性電磁界イミュニティ試験は電波暗室内で規格に定められた試験周波数及び試験レベルの電磁波をアンテナから照射することによる、耐ノイズ試験である。前年度では周波数範囲を1GHz以上の高周波側で電界強度と距離の依存性ついて検討したが、今回は1GHz 以下の高電界強度試験の可否について検討する。
(応用技術課 電気通信係)

乳酸菌が生産する菌体外多糖(EPS)の化学的性状

 府内中小企業が保有する各種乳酸菌株を用いた乳酸発酵による乳酸菌飲料の試作を行い、菌株や培地組成の違いによる EPS の生産性を比較する。また、高速液体クロマトグラフや LC-TOF/MS 等の機器を用いた分子量や糖組成等の分析を行い、得られた EPS の化学的性状を比較する。
(応用技術課 食品バイオ係)

賞味期限設定にかかる期間短縮のための加速試験適用指標に関する研究

 加速試験とは、温度や湿度等を上昇させた通常よりも過酷な環境下で食品を保管することで製品固有の劣化速度を早め、短期間で賞味期限を推定する方法である。本研究では、食品の保管温度変化(異なる3温度帯以上)による劣化速度について評価方法・評価指標の検討を行い、加速試験実施時の実用性について検討を行う。
(応用技術課 食品バイオ係)

液中プラズマを用いた有機フッ素化合物の処理機構の解明

 有機フッ素化合物は撥水剤や界面活性剤、半導体製造用の表面処理剤などに使用されているが、環境中で分解されにくく、高い蓄積性を有するため適切な処理が求められている。本研究では液中プラズマを用いた有機フッ素化合物の処理機構を検討する。
(中丹技術支援室)