29年度の研究テーマ

職員による研究調査

新素材・表面加工・計測評価分野

樹脂粉末床溶融結合法による複合材料造形技術の構築
樹脂粉末床溶融結合法の材料には、造形時の反りが生じにくいナイロン11又は12粉末が用いられているが、ナイロン6に比べると強度及び密度が低い。そこで、造形品の強度と密度を向上させるため、ナイロン11粉末にガラスビーズ等を複合させた材料の造形技術を構築する。
(基盤技術課 機械設計・加工担当)
機能性金属ナノ粒子の抗菌・防カビ効果の検討
従来のAg、Auの金属ナノ粒子は、プラズモン効果により発色する。研究を続けている液中プラズマ法にマイクロバブル(気泡)を利用して金属ナノ粒子を作製すると、従来観測されていたプラズモン色が消え、透明状態となる。マイクロバブルを利用すると粒子径が小さい金属ナノ粒子が生成されると思われ、プラズモン色を発色する金属ナノ粒子よりも比表面積が大きく増大していると考えられる。比表面積の増大は、金属ナノ粒子特性を更に向上させる効果があると期待される。本研究では、マイクロバブルを利用して作製した金属ナノ粒子(Ag、Au、Cu、Pt、Al等)の抗菌・防カビ効果について検討する。
 (基盤技術課 材料・機能評価担当)
熱機械分析装置(TMA)による高粘性流体の硬化過程等評価方法の検証  
熱機械分析装置(TMA)を用いた高粘性流体の体積膨張率の測定方法について検証し、それを用いて高粘性流体の硬化過程を体積変化からモニタリングし、各種高粘性流体の硬化過程についての考察を行う。
 (基盤技術課 化学・環境担当)

食品・バイオ分野

乳酸菌高抗酸化活性株の選抜(Ⅱ) 
乳酸菌の菌体破砕液(酵素分解液)の抗酸化活性をORAC法および正常ヒト皮膚繊維芽細胞(NHDF細胞)を用いた分析によりスクリーニングし、高抗酸化活性株を選抜する。
 (応用技術課 食品・バイオ担当)

企業等との共同研究

新素材・表面加工・計測評価分野

原子層状物質の作製と評価に関する研究 
グラフェンやMoS2等の原子層状物質は新材料として様々な分野で期待されている。今後の利用促進のためには、その成膜技術や評価技術の確立が特に重要であり、本研究では、これら原子層状物質の作製や評価技術に関して研究する。
(応用技術課 表面・微細加工担当、共同研究者等:京都工芸繊維大学、和歌山大学)

電気・電子分野

空中ディスプレイ技術を用いたインターフェースシステムの開発
人間の視差を利用して投影された空中に浮かぶ立体的な映像へのアクションを認識し、フィードバック情報からアクションの種類に応じて映像投影や制御を行うインターフェースシステムを開発する。
(応用技術課 電気・電子担当、共同研究者等:企業4社ほか)

企業等からの受託研究

 中小企業等の技術課題の解決や新技術又は新製品の開発等につなげるため、中小企業等の依頼に応じて、研究、試験分析等を受託します。

 

委託研究

 業界独自での研究開発等が困難である課題で、かつ、当センターにおいても独自に研究開発することが困難であるテーマについて、外部機関に研究の委託を行います。