機械部品、電子・電気部品等、機器や部品の面性状・形状を非接触で高精度に計測します。
- メーカ・型式
- ザイゴ社
- NewView8300
- 性 能
- 垂直走査低コヒーレンス干渉法
垂直分解能 0.1nm
空間分解能 0.52μm - 保有レンズ及び仕様
-
倍率
2.75X
10X
50X
作動距離(mm)
4.5
7.4
3.4
光学分解能(μm)
3.56
0.95
0.52
角度追従性(deg)
3.71
14.53
28.13
0.5X装着時(μm/pixel)
6.3
1.75
0.35
1.0X装着時(μm/pixel)
3.13
0.87
0.17
- 用 途
- 微小な表面形状等の非接触精密計測・観察
- 設置年度
- 2017年度
- 担 当
- 中丹支援技術室
- TEL 0773-43-4340 FAX 0773-43-4341
E-mail chutan@kptc.jp - 使用料(基本額)
- こちらをご覧ください
本装置の特徴と測定事例
「機器や部品の面性状を非接触で高精度に計測する(『クリエイティブ京都M&T』2021年春号)」から
近年、製品の小型化や高機能化などに応えるため「よりなめらかに」「より図面どおりに」と加工の高度化に対する要求は年々増し、それに併せて評価技術や装置に対する高精度化の要求が増えています。中丹技術支援室の三次元光学プロファイラーはそういった様々な要求に応えるための機能と精度を保有しています。今回はその特徴と機能による測定事例を紹介します。
図面の指示通りの加工ができているか、表面の状態がどうなっているかなど加工状態の把握は、自社の品質管理目的だけでなく相手先からの要望によっても面性状を評価する機会が増えています。被測定物の材質や形状、測定箇所から測定方法を検討し、得られた結果から表面粗さ、凹凸の形状、傷深さなど、目的の評価をしていきます。
例えば被測定物の材質が柔らかい場合は接触式では測定が困難ですが、さらに透明な材質や光沢がある場合などは非接触式でも光学系測定機では測定が難しいことがあります。そのため表面性状を評価するための装置としてJIS B0681-6:2014(ISO25178-6:2010)製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状:三次元-第6部には19種類の測定原理が規定されています。
当室の三次元光学プロファイラーは、このうち垂直走査型低コヒーレンス干渉法に分類されています。
測定原理は干渉対物レンズによって結像画像に干渉縞を発生させ、レンズを垂直方向に走査させることにより、干渉強度のピーク高さを求めて、表面凹凸を測定する方法です。含まれる波長が多い白色光を使用するため、干渉のピークがわかり、サブナノメートルの分解能まで高精度な測定が可能となります。また干渉縞の発生する範囲がレンズと被測定物との距離によるため、広角レンズであっても高精度な測定が可能で視野画面を短時間で測定でき、広範囲の測定も可能です。当室への技術相談でも様々な場面で活用されており、その事例を紹介します。
液晶タッチパネルの広範囲測定
タッチパネル100mm角の広範囲測定。広角レンズを使用しても視野に収まらない時にはステッチング(つなぎ合わせ機能) を使用して、目的のサイズまで範囲を広げた測定が可能です。

(左)ステッチング画面 (右)評価画面
塗布した粉体の厚さ測定
粉体と素地の高さを同時測定しその厚さを調べます。粉体は薄く載せているため接触式では測定が困難であり、一般的な非接触測定では表面性状が大きく異なっているものを同時に測定することは難しいです。

青色が素地部分
ガラス面の傷の測定
精密研磨を行った後の傷の有無。目視では確認出来ない微少なナノオーダーの傷も確認ですることができます。

その他、超精密金型の表面粗さ測定、微細部品の形状測定など表面性状の評価を行うための装置としては汎用性が非常に高く高精度な測定ができます。
参考情報
- 機器や部品の面性状を非接触で高精度に計測する―三次元光学プロファイラー (『クリエイティブ京都M&T』2021年春号)
- 当センター保有のどの機器で測定するのが最適か 寸法・幾何形状の測定における機器の選び方(『クリエイティブ京都M&T』2020年11月号)
- 個体材料分析フローチャート(『クリエイティブ京都M&T』2019年1月号)