振動試験機(16kN) (場所:綾部)

この機械は、振動が加わった環境下での製品や部品の耐久性の評価に利用できます。

16kNpic

メーカ・型式
エミック株式会社
F-16000BDH/LA16AW
性  能
方式 : 電動式 
最大加振力 : 16.0kN(正弦波)
       12.8kNrms(ランダム波)
       40.0kN(ショック波) 
最大変位 : 56mmp-p
最大速度 : 2.3m/sec
振動数範囲 : 3~2,000Hz(加振テーブルの種類、積載重量等により変動し、振動範囲は狭くなります)
加振テーブル : 水平加振台(800×800mm、最大3~1,700Hz)
        垂直補助テーブル(800×800mm、最大3~300Hz)
        垂直補助テーブル(500×500mm、最大3~550Hz)
        電子部品用高周波治具(150×150×150mm、最大3~2,000Hz) 
設置年度
2006年度
担  当
中丹技術支援室
TEL 0773-43-4340      FAX    0773-43-4341
E-mail chutan@kptc.jp

使用料(基本額)
こちらをご覧ください

※下記「被試験物の取り付け方法」をご覧の上、取付のための治具・ボルト(M10対応)等及び工具をご持参ください。
※測定結果を電子データで持ち帰られる場合は、CD-Rをご持参ください。

 

被試験物の取り付け方法

 水平加振台(800×800mm):M10のネジ穴(100mmピッチで64カ所)
 垂直補助テーブル(800×800mm):M10のネジ穴(100mmピッチで64カ所)及びフック(28カ所)
 垂直補助テーブル(500×500mm):M10のネジ穴(100mmピッチで20カ所)及びフック(16カ所)
 電子部品用高周波治具(150×150×150mm):M5のネジ穴(50mmピッチで60カ所)
 

振動試験室 配置図

 

用途

 正弦波(サイン波)振動試験、ランダム(ランダム波)振動試験、ショック波振動試験
 ※衝撃試験(ショック波振動試験)は、正弦半波衝撃パルス・ハーバーサイン衝撃パルス・台形波衝撃パルス・のこぎり波衝撃パルス・三角波衝撃パルスが可能。

 

振動試験機の規格

 日本工業規格(JIS)に規定されている振動試験方法としては、JISC60068-2-6(環境試験方法─電気・電子─正弦波振動試験方法)、JIS C 60068-2-64(環境試験方法─電気・電子─広帯域ランダム振動試験方法及び指針)、JIS D 1601(自動車部品振動試験方法)、JIS E 4031(鉄道車両用品─振動及び衝撃試験方法)、JIS Z 0200(包装貨物─評価試験方法通則)、JIS Z 0232(包装貨物─振動試験方法)など多数存在します。
しかもこれらの規格は、振動条件(振動数・振幅・振動加速度・加振時間等)を明確に確定した記載が行われていないことも多く、参考値・推奨値や指針という形で記載されていることもあります。
そのため、個々の製品・部品に対して、振動条件の具体的な設定を振動試験を行う側が決定しなければならないことがよくあります。
また、振動試験の規格には、JIS以外にIEC(国際電気標準会議)規格、ASTM(米国材料試験協会)規格、MIL規格(アメリカ国防総省が制定した物資調達規格)などの規格もあり、これらの規格を選定することも可能です。このため、振動試験を行う製品や部品が、実際にはどのような振動条件環境下に置かれるかを想定する必要があります。
なお当センターには、JISについては振動試験以外の規格も含め全て揃っております。

 

活用事例

 九州や北海道へ製品をトラック輸送する場合や航空機でヨーロッパまで運び、トラックに積み替えて所定の場所まで陸送を行うことを想定した包装貨物の輸送振動試験(ランダム振動試験)を行いたいという相談が持ち込まれました。輸送のシナリオとしては、陸上輸送3,000km(走行時間50時間)+航空輸送10,000km(飛行時間12.5時間)の想定です。
そして今回は、様々な規格の中から「エミック株式会社の技術資料」を参考に、試験プロフィールとしてASTM4728-91、試験時間設定としてMILSTD-810E、加速時間設定としてMILSTD-810Dを用いたランダム振動試験を選択しました。
この振動試験方法のトラック輸送については5~200Hz、航空機輸送については5~300Hzの振動数範囲内でのランダム振動試験になります。
※加速時間設定
 振動試験等の信頼性試験においては、想定した負荷よりも大きな負荷を与え、過酷な条件で試験を行うことにより、想定より短い試験時間で被試験体に同等の負荷を与えたと推察する手法を用いることがあります。この加える負荷の大きさ(想定値の何倍か)と短縮できる試験時間との設定について定めたものです。