去る平成30年2月28日(水)に、京都大学宇治キャンパス化学研究所共同研究棟大セミナー室において産学交流会を開催したところ年度末にもかかわらず58名の方に御参加いただきました(1部講演会)。
講演会終了後、化学研究所総合研究実験1号棟を見学し、懇親交流会場(31名参加)においても、大学、企業、行政関係者など、異なる分野の方々による熱心な情報交換、意見交換が行われました。
第1部 講演会
≪1.研究シーズ発表≫
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『ダイヤモンド高感度量子センサの応用』
京都大学化学研究所 教 授 水落 憲和 氏
炭素のみで合成されるダイヤモンドは、人工的に合成が可能となってきている。ダイヤモンド中のNV中心は、量子情報、超高感度・高分解能センサ、バイオ応用等の分野で注目されており、その物性の高さから様々な分野での応用が期待されるところである。この交流会では、NV中心の空間分会能などの特徴や、NV中心の作成法や最近の研究動向について御紹介いただきました。情報工学やライフサイエンスなど将来の様々な分野での展開や活用が期待されます。
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『塗って作成できるフィルム型太陽電池の開発』
京都大学化学研究所 准教授 若宮 淳志 氏
次世代太陽電池として注目を集めている「ペロブスカイト太陽電池」の特徴と高効率化に向けた取り組みや研究成果について解りやすく解説いただきました。本産学交流会会員企業との連携による研究シーズの産業化に向け、産学が連携しベンチャー企業を立ち上げるなど動き出しています。
このペロブスカイト太陽電池の実用化により低コストで発電効率が高い太陽光発電が実現できる可能性があり、これが実現されればエネルギー問題や環境問題の解決も大いに前進する可能性を示唆いただきました。
≪2.産学連携の事例紹介≫
- 『京大COI薄膜太陽電池の塗布技術開発』
プラスコート株式会社 開発部長 田邊 雅永 氏
≪3.会員企業紹介≫
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『SiCプラズマが紡ぐ、異分野交流と未来社会創造』
株式会社栗田製作所 開発顧問 西村 芳美 氏
≪3.施設見学≫
化学研究所 総合研究実験1号棟507号室 他
☆ 参加者の主な意見等 ☆
- 大学からのプレゼンは最先端の研究内容を分かりやすく、関連企業の話も大変ユニークで面白いものだった。
- どのご講演も大変充実した興味深い内容で感銘を受けた。
- 素晴らしい内容であったと思う。京都大学と地元企業のつながりを知ることができた。
- 話がとても興味を持てるものであった。
- 自分の知識にない講演だったため、大変満足した。
- フィルム型太陽電池の開発ストーリーがよくわかり、楽しく聞かせていただいた。
- この交流会で生まれた共同開発についての発表を聞けて、大変有意義だった。
- 研究されている姿勢に感銘を受けた。
- 専門外だが、最新の状況がよく理解できた。
- 内容が面白かった。分かりやすかった。(言語は難しかったが。)
- 先生のシーズ講演も分かりやすく、また企業発表についてもどのように実用化しようとしているのか参考になった。
- 非常に丁寧なご報告でよく理解できた。
- 太陽電池の話が面白かった。
- 大学で何が研究されているのか良くわかった。
- 塗る太陽電池の発表が興味深かった。
- 最新研究内容と企業の事業を学べた。
- 幅広い分野での新たな知見が得られた。
- 興味深いテーマばかりで、大変勉強になった。
- ダイヤモンドの用途を知ることができた。
- 自分のわからない分野の話を聞くことが出来た。
【事務局コメント】 第27回京都大学宇治キャンパス産学交流会は、化学研究所との交流会でした。 今回の交流会では、産業応用が主なモチーフとなっていたことや、当産学交流会で産学が連携し、大学発ベンチャー企業の立ち上げにまで至った記念すべき交流会となったこともあり、フロアからも活発な質問や意見が寄せられました。 会員企業紹介では、株式会社栗田製作所の西村開発顧問様からSiC(シリコンカーバイト)製品開発についての経過や苦労など企業の中での研究開発に当たり心構えや留意点について、体験談を含めご説明いただきました。 今後も当産学交流会を一層充実したものにするよう取り組んで参りますので、皆様からも御意見をいただければ幸いです。 |
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