輻射熱を制す、次世代の高温遮熱ソリューション (尾池アドバンストフィルム株式会社)

尾池アドバンストフィルム株式会社

輻射熱を制す、次世代の高温遮熱

ソリューション

 

 どのような経緯でセンターを利用しましたか?

 当社はドライ・ウェットコーティングを主軸としたコンバーティング事業を展開すると同時に、ディスプレイ材料、電子材料、工業材料をはじめとする機能材料に関わる技術と製品を提供しています。

 当社が開発した各種加工フィルムの性能や特性を、客観的かつ高精度に評価・分析するため、センターが保有されている分析装置を使用させていただきました。

 研究開発の内容はどのようなものですか?

 新たな開発品として、高温下でも安定した遮熱性能を維持し、熱輻射を効果的に抑制する、加工性と耐久性に優れた高温遮熱箔を開発しました。

 この高温遮熱箔は、高温配管や加熱炉などの高温設備に使用することで、熱損失の低減や断熱材の薄型化、省エネルギー化を実現し、産業分野における環境負荷の軽減と持続可能な社会への貢献が期待できます。

 当社が開発する各種加工フィルムにおいて、基幹技術の分析にセンターの機器を使用しており、例えばコーティング膜の外観や膜質、積層状態の解析では、XPS(X線光電子分析装置)、SEM-EDS(走査電子顕微鏡)、EPMA(電子線マイクロアナライザ)等により極表面の観察や元素分析を行い、品質の向上に役立てています。

課題や取組みなど今後の予定は?

 当社の技術を活用した機能材料は、高温遮熱箔をはじめ、日射調整や飛散防止機能を備えたウィンドウフィルム、意匠性と耐久性を兼ね備えた加飾フィルムなど、さまざまな分野で活用されています。

 これらの製品を通じて快適な暮らしや安全な作業環境の実現に貢献しながら、今後も社会課題の解決に向けて技術革新を重ね、当社の技術をより多くの方々に広く届けていきたいと考えています。

 

高温遮熱箔(開発品)

600℃で長期間の耐久性を有し、熱ロス低減、エネルギー効率向上による省エネに貢献します。

配管や壁面の断熱、高温部からの保護、断熱材の薄膜化、加熱炉内部の均熱など、様々な場所で使用可能な材料です。

 

 

 ヒーター(400℃)上に空間を設け、高温遮熱箔、酸化SUS箔を設置。断熱材を重ね、表面温度をサーモカメラで測定。高温遮熱箔(左図)は酸化SUS箔(右図)と比較し、30℃表面温度が低下。

 

 

 

尾池アドバンストフィルム株式会社

    所  在  地   京都市南区

事業内容  フィルム等各種機能材料の開発、加工

ウェブサイト  https://www.oike-kogyo.co.jp

※ 「輻射熱を制す、次世代の高温遮熱ソリューション (尾池アドバンストフィルム株式会社)」pdf資料は、こちら