京都大学との産学連携実例集

会社名 株式会社ケイヴイシー(京都市南区)
連携研究所 エネルギー理工学研究所(松井秀樹特任教授)
内 容
 
KVC

㈱ケイヴイシーは、ボールバルブやバタフライバルブなどのバルブメーカーであり、火力発電所や石油プラントなどの苛酷な環境で使用されるボールバルブなども製造している。
 大規模なプラントに設置されるバルブは、その大きさのため製造も難しいものであるが、パイプ内を高温・高圧力で流れる流体によって引き起こされる「コロージョン(腐食)&エロ―ジョン(流速等による摩耗)」に耐えるバルブを製造する必要があるが、その材質の選定などを京都大学エネルギー理工学研究所の指導を受け、また、試作した製品の強度測定について同研究所・ADNIRE計画による装置により確認して優れた製品を製造ている。

会社名株式会社ナガラ電子工業(滋賀県東近江市)
連携研究所 生存圏研究所レーダー大気圏化学分野(山本衛教授)
内 容
Nagara

同社は、無線局用や放送局用の各種アンテナのメーカーであり、携帯電話が普及した現在においても防災無線や地域コミュニティー放送用アンテナの需要は多くある。京都大学生存圏研究所で使用する特殊アンテナを製造した実績から、同研究所の指導を受け「円偏波無指向性アンテナ」の普及タイプを製造することに成功し、このアンテナではアメリカの気象衛星NOAAとエイカーズの受信をすることができ、個人で楽しむ無線の可能性を広げている。

会社名株式会社丹宇(京都市南区)
連携研究所生存圏研究所(北守顕久助教)
 内 容
tanu同社は、生存圏研究所と共同して板塀や柱の建築材料が太陽の紫外線や雨露で風合いが劣化することを防ぐ防汚塗料「タウンガード」を開発・販売しており、社寺や民家などでの施工例が多くある。
平成26年4月に京都市営バス停が京都大学生存圏研究所の設計協力により京都産木材(杉・檜)で建築されたことから、その白木の風合いをいつまでも楽しめるようにと同社の防汚塗料を塗布された。
会社名

日立造船株式会社(大阪府堺市)

連携研究所防災研究所(間瀬肇教授)
内 容
hitachi同社は、環境装置、プラント、機械、プロセス機器、インフラ設備、防災システム、精密機械等の設計、製作等を手がけるメーカーである。中でも、堺工場においては、事業ドメインの一つである「社会インフラ整備と防災」分野において、京都大学防災研究所間瀬教授の指導で、津波などの水害から人命を守る、「陸上設置型フラップゲート式津波防潮堤」の開発に注力している。東日本大震災での学びから、津波発生時には確実に水の浮力によって作動し、日常は生活の支障とならないこと、維持管理の負担が課題とならないこと等の条件をクリアすることに成功した。
また、中型、大型のものはトンネルの入口や道路・鉄道盛土の立体交差部に設置できるなど、幅広い利活用が期待できる。

 

会社名星和電機株式会社(京都府城陽市)
白山工業株式会社(東京都府中市)
連携研究所防災研究所(矢守克也教授、畑山満則准教授)
 内 容
 

zabu      tunami

平成26年3月30日(日)、矢守教授及び畑山准教授等は、南海トラフの巨大地震によって津波が想定される高知県黒潮町において、「津波到達時間表示板」(星和電機㈱製)を用いた津波避難訓練と可搬型地震動シミュレーター「地震ザブトン」(白山工業㈱製)を体験する防災勉強会を開催して、津波から避難する場合に表示板がどのように活用されるのかなどを検証し、また、地震ザブトンは従来の起震車とは違う臨場感が体験できるため 地震に対する警戒感を高める効果が確認できました。

※参考記事(PDF)

会社名株式会社ナールスコーポレーション(京都市西京区)
連携研究所化学研究所(平竹潤教授、渡辺文太助教)
 内 容

 

naru同社は京都大学発のベンチャー企業であり、京都大学・平竹潤教授、渡辺文太助教、 大阪市立大学・小島明子准教授らの共同開発で発見された、グルタチオン分解酵素 GGT を阻害する化合物=GGs Top(ごく微量で皮膚線維芽細胞および角化細胞を活性化 させる機能を持つアミノ酸化合物)をアンチエイジング化粧品原料「ナールスゲンR」として
実用化し、製造、大手化粧品会社などに販売する。また、自社製品として、肌に重要なコラー ゲンや弾性線維エラスチン、HSP47をサポートする「ナールスミントプラスR」を商品化した。

会社名株式会社京都マテリアルズ(京都市西京区)
連携研究所エネルギー理工学研究所(ADMIRE計画)
 内 容

 

pat!naPat!na Lock®は、京都マテリアルズが独自に開発した革新的塗料であり、鋼材表面に塗布することにより、環境中の水や酸素と反応して良質なさび(Patina)を生成する。生成したPatinaは鋼材の耐食性を飛躍的に向上させる。この反応性塗料Pat!na Lock®により生成する防食能力の高いさび層(Patina)について、京都大学エネルギー理工学研究所ADMIRE計画により調査し、Patinaは塩化物などの腐食性物質の透過を抑制し、鋼材の腐食を低減することがわかってきた。用途は、橋梁や鉄塔などの陸上の鋼構造物全般であり、新設材のみならず、既設構造材についても表面に生成している赤さびなどの腐食生成物を完全に除去する必要はなく、二種~三種ケレン程度の下地仕上げののち本処理剤を適用することができる。

会社名 株式会社建築舎ゆわんと村(広島県)
連携研究所 エネルギー理工学研究所(ADMIRE計画)
内 容
 

 

setosikkui『瀬戸漆喰』は、一般的な砂漆喰に牡蠣殻から抽出した超高濃度カルシウムイオン水を混ぜ、古くから伝わる性能に、強度と耐久性さらに耐火性をも上げることに成功したもの。漆喰にCaイオン水を添加すると、なぜ中性化が進み、強度が発生するかを先端研究施設共用促進事業の京都大学エネルギー理工学研究所ADMIRE計画に参画し、元素分析および、化合物分析等を行った。普通漆喰は、表面をCaCOの被膜に覆われるため、COが内部に入りにくく、中性化速度が遅く、強度が脆弱になるが、高強度漆喰については漆喰に添加するCaイオン水により、漆喰表面から内部に向かってCOを呼び込む役割が高くなる。それが中性化の進行を速め、硬化が促進され、漆喰に強度を発生させることが解った。

会社名チヨダ工業株式会社(愛知県)
連携研究所生存圏研究所(金山公三教授)
内 容

ciyodaプレス金型の設計製作を事業とするチヨダ工業㈱が金山教授の研究グループより木質材料の流動成形に用いる金型の発注を受けたことをきっかけに、互いの研究テーマ「薄肉成形」に向けた共同研究をスタートさせた。削る、曲げる、接着するという木材の一般的な変形加工ではなく、「木材の流動現象」(木の塊に液体樹脂を含浸させ、加熱プレスすることにより、まるでプラスチックのように複雑3次元形状製品を成形すること)を応用し、コーン(振動板)だけでなくスピーカーキャビネット(外側)やインシュレーター、キャップを竹から成形し、音響スピーカーを製作した。

会社名株式会社NAテック(滋賀県)
連携研究所防災研究所(平石哲也教授)
内 容

nateku同社は、京都大学防災研究所の災害研究所である、宇治川オープンラボラトリーで実験を重ね、水に浮く布団「セーヴィングフローター」を開発した。東日本大震災の教訓を活かし、急な浸水時に救命道具として活用でき、即座に持ち出せる。(普段は敷きマットとして利用)マット内部には特殊ビーズを使用し、31室に細かく分かれた構造にすることで安定させる。万一破損しても一部分の破損のみでとどまり、浮力を保つようになっている。浮力については、ラボの実験でも100キロの重りを載せて、72時間放置し、周期1.0s、波高5㎝の波を24時間作用させても転覆や沈み込みが見られなかった。実験は琵琶湖でも行われ、成果を得た。今後は家庭での備えだけでなく、自治体の災害時対応の備品として需要が高まることを見込んでいる。