【結果報告】第19回交流会『化学研究所』

 平成28年3月2日(水)、京都大学宇治キャンパス、おうばくプラザセミナー室4.5において産学交流会を開催し、47名の参加者がありました。(1部講演会)。

 京都大学化学研究所より「無機機能性新材料の探索と機能探索」「新規材料開発を目指した酸化物の原子スケール成長」と題して、それぞれ、ご講演をいただきました。

 また、先生にご紹介いただいた福田金属箔工業㈱さまと会員企業の互応化学工業㈱さまに自社の取り組みについて発表していただきました。

 その後、先生方の講演に即し、無機先端機能化学研究室を見学しました。

 第2部の懇親会では、産官学の参加者が技術に関して質問をしたり、和やかな雰囲気の中で懇談しました。

 

第1部 講演会

≪1.研究シーズ発表≫
『無機機能性新材料の探索と機能探索』
   京都大学化学研究所 教授 島川 祐一氏
kyouji18-2 遷移金属酸化物は、エレクトロニクスデバイスや、電池などのエネルギーデバイスの材料として広く使われています。今後も、将来の社会を支えるための新材料、資源・環境問題の解決に役立つ新物質の開発が求められています。無機材料の研究開発の一端と新物質合成実験について紹介されました。

 

 

『新規材料開発を目指した酸化物の原子スケール成長』
   京都大学化学研究所 准教授 菅 大介氏
kyouji19-2 機能性酸化物に焦点をあて、近年急速に発展してきた原子スケールでの酸化物薄膜成長技術やその評価技術について、化学研究所での研究成果を中心に紹介されました。また、酸化物薄膜材料に関する最近の研究動向についてもお話いただきました。

 

 

≪2.企業の自社事業紹介≫
『各種金属箔・金属粉の製法とその特性』
   福田金属箔粉工業株式会社 技術本部 研究開発部長 新見 義朗氏

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『環境対応型塩化亜鉛めっきプロセスについて』
   互応化学工業株式会社 電子化学部品事業部 課長代理 北口 均氏

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≪3.施設見学≫

『化学研究所 無機先端機能化学研究室』

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☆ 受講者の声 ☆

  • 大学の基礎研究、企業の実用性のある技術などそれぞれが大変興味深かった。
  • 大学の材料の基礎研究は大変貴重である。
  • シーズ発表(化学研究所)に非常に興味を覚えた。
  • 施設見学も多くの学びがあった。
  • 興味深い実験設備を見学させていただき、丁寧に説明いただいた。
  • 無機化学の研究内容がわかった。
  • IGZO等導入から説明していただきわかりやすかった。高密度磁気記録の課題も説明があった(2014年5月の新聞記事等)
  • 菅先生のご研究で、回転電極を用いた電気化学測定(安価で入手できる)について説明いただきたかった。
  • 2社についても資料にない条件等教えていただいた。
  • 最近の課題をテーマとしていたので、興味が持てた。
  • 無機分野のR&Dについては、関心があったが、実際に新素材の開発研究の話を聞けた。
  • 大学の発表、企業の発表ともに興味深いテーマであった。京大化研のツアーもおもしろかった。
  • 他業種の技術等の話が聞けて、勉強になった。
  • 難しい内容でもやさしく発表していただき、わかりやすかった。
  • 普段接しないテーマ、話題を聞くことができた。
  • 無機分野のラボに入ったことがなかったので、ラボを見学できてよかった。
  • 高価な装置を見られた。
  • 企業の事例発表がよかった。
  • 興味ある内容でためになった。今後に生かしたい。
  • 内容がおおむね理解できた。
  • 研究シーズ発表も非常に興味深い内容でしたが、配布資料があればよかった。
  • 施設見学は有意義だった。
  • 自分自身の基礎知識不足があったが、おおむね満足した。
  • 説明が丁寧でした。大学の研究と企業の内容のレベルが高い。
  • 展示会等では聞けない内容でした。
  • いろいろな金属に箔や粉を加工する技術を知った。
 【事務局コメント】

 今回の京都大学宇治キャンパス産学交流会は、化学研究所のお世話になりました。

 研究テーマは学術的で非常に難しそうで、一見、私たちの日常生活やまわりの製品と結びつくように考えられませんでした。ところがお話をお伺いすると、周りの電化製品やその部品が、研究されている様々な化学的特性を活かしてできていること、そして想像を絶する精密さ、緻密さでできていることがわかり、非常に興味深いものがありました。まさにものづくりの原点の研究であるように思え感銘しました。

 今年度の交流会は今回4回目で最後となります。来年度も引き続き実施していきたいと考えます。今後ともより充実するよう工夫して参りますので、お気づきになったことやご提案、ご意見がありましたら、お聞かせください。けいはんな分室まで電話やメールでお寄せください。

 次回の交流会も詳細が固まり次第お知らせしますので、ぜひご参加ください。

 

問合せ先は、
京都府中小企業技術センター けいはんな分室
 TEL 0774-95-5050 FAX 0774-66-7546
E-mail keihanna@mtc.pref.kyoto.lg.jp