平成27年3月3日(火)、京都大学化学研究所大セミナー室において産学交流会を開催しましたところ、想定を上回る68名という多くの参加者がありました。
京都大学化学研究所より「グルタチオン代謝とγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)阻害剤」と「GGT阻害剤の化粧品原体としての開発研究」と題してご講演をしていただき、スキンケア商品原料として市販されている「ナールスゲン(商標)」が、京都大学化学研究所で合成された経緯や商品化になるための合成方法・安全性の確認などについてお話ししていただきました。
ナールスゲンの複雑な構造式や反応式を示されましたが、わかりやすく有効性がある構造式を持つものを解説され、また、合成した物質の活性能評価・安全性確認や合成時の収率アップや合成工程の削減など商品として世に出せるためにされた研究内容について詳しい説明があり、参加者は複雑な化学式にもかかわらず熱心に聴講されていました。
また、産学連携の実例として、(株)ナールスコーポレーション様が平竹教授が開発された商品「ナールスゲン」の合成・販売に至るまでの苦労や花を使用した活性能の実例紹介を、会員紹介では、(株)DFC様から微量で化学反応ができるマイクロリアクターなどを紹介していただきました。
その後、化学研究所による共通分析実験施設等を見学しました。
今回は、遠くは長崎県、東京都、和歌山県から、また参加された方が化粧品を製造される企業様、化粧品を使用する企業様、繊維会社様、空調設備会社様など幅広い業種であったので、懇親交流会場において、参加者同士や京大関係者の方との交流を商品や技術に関して和やかな雰囲気の中でしていただくことができました。
なお、今回は多くの方に参加していただきましたので事務局としては、大変嬉しく思っておりますが、急な会場変更や施設見学の人数制限をすることになり、ご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びします。

平竹先生の講演

渡辺先生の講演

熱心に聞き入る参加者

(株)ナールスコーポレーション 松本和男社長の講演

(株)DFC 松本一希社長の講演
☆ 参加者の声 ☆
- HPに載っていない詳しい部分が聞けた。
- GGsTopの機能がよく判った。
- テーマが一つに絞られていた。
- どの講演も新鮮みがあり、興味深く拝聴できた。
- ナールスゲンの作用機序の本質的な部分が理解できたことが最大の収穫。
- 今回は当社の事業と同じ化粧品がテーマであったため、興味深く聴講できた。
- 今回の内容については全くの素人だが、夢の多い技術を開発されていることを目の当たりにして今後大いに楽しみにしている。
- 産学連携のナールスコーポレーションの事例は非常に参考になった。
- 化粧品素材の開発背景について、詳細にわかりやすく説明いただいた点がよかった。
- 研究者+その起業家との両方の話が聞けてよかった。
- ベンチャー創業の生の話が聞けてよかった。
- 平竹先生は大変わかりやすく説明していただき良く理解できた。
- 研究発表1:メカニズムをわかりやすく解説いただいた。
研究発表2:安全性試験もしっかり実施されていること、安定性が良いことがわかった。
産学連携紹介:化粧品市場規模はあまり伸びていないのに対し、エイジングケア化粧品は伸びており、期待できることが分かった。
会員企業紹介:高速混合と均一化反応などマイクロリアクターのメリットが理解できた。 - とてもわかりやすい内容で有意義だった。
- 興味深いベンチャー立ち上げの話が聞けた。また、平竹先生のご研究で、女性には今後とてもお世話になる可能性が高いと思った。
- 化粧品の原料として使用できる講演で大変参考になった。
- 平竹先生の話は時間の都合で少し省略されたが、非常に興味深くもっと聞きたかった。
- 自信が関連するビジネスのことであり、歴史や背景を知れて良かった。
- 先生方が、企業にフレンドリーでよかった。
- 開発の基礎から、学術的背景、事業化の苦労まで一連の流れが理解できた。
- 素人にもわかりやすい。
- 理解するのが難しい内容もあり、但し、聞かせていただくことにより関心が高まった。
- 難しいテーマだったが、研究開発から事業化への流れがつかめて大変興味深く聞いた。
- GGsTopの製品が女性の肌に役立てられている。もっと、世界中の人々が注目し幅広く活躍していただきたいと思う。
- 比較的わかりやすい説明で安心した。
- 緻密な研究開発の努力、商品化のストーリー
- 難解な化学記号だが、わかりやすく説明いただけた。
- 化学式等わからないことも多数あったが、企業が大学とどういった形で組んでいるか知れることは面白い。
- 特許の話が聞けて良かった。
- マイクロリアクターに興味があった。
- 先生の3部作講演(研究から製品化まで)がよかった。
- 専門外で内容を理解できなかったが、詳細な説明が行われたと思う。
- 貴重なお時間ありがとうございます。特に開発や、その後のご苦労なども知ることができてよかったです。
★ 事務局コメント ★
講演時間が短かかったために、講演していただいた先生方には御苦労をお掛けしました。また、アンケート結果では、もう少し詳しく聞きたかったとのご意見もありましたので、今後の交流会の開催方法に工夫をしていきたいと思います。
産学連携によって技術開発や製品開発に発展するように、~例えば、今回の講演していただきました方々が連携され、京都大学において(株)DFC様が開発されたマイクロリアクターを使用して新たな有用な物質が合成され、それを(株)ナールスコーポレーション様が製造・販売されること~産学交流の場を提供していきたいと考えております。