京都府立須知高等学校  食品科学科の皆さんと国産メンマのフリーズドライ試作に取り組みました

 地域資源の活用と食品加工技術を学ぶ実践的な取組

 

 京都府立須知高等学校食品科学科では、学校林にあるモウソウチクを活用したメンマづくりに取り組んでいます。

 この取組は、生徒の発案による課題研究として始まったもので、現在は総合実習の授業として継続されています。毎年春先に採取したモウソウチクを塩漬けし、梅雨明け後に切断・天日干しを行っていますが、乾燥後の吸湿やカビの発生など、品質管理の面で課題がありました。そこで、地域企業との意見交換をきっかけに、凍結乾燥(フリーズドライ)の活用が検討され、当センターへ相談が寄せられました。

 

  凍結乾燥の仕組みを学び、実際に装置を操作

 

 令和8年7月28日、当センターにおいて食品科学科の生徒4名と教員が参加し、「国産メンマのフリーズドライ試作」実習を実施しました。

 まず、当センター職員から食品の代表的な乾燥方法や凍結乾燥の原理について説明を行いました。凍結乾燥は、凍らせた食品中の水分を昇華によって除去する乾燥方法で、色や風味、栄養成分を保ちやすいことが特徴です。

 その後、生徒たちは事前に凍結したメンマを凍結乾燥機へ取り付け、乾燥工程を体験しました。今回の実習では、高校側で凍結した試料に加え、当センターで異なる温度条件(-20℃、-30℃、-80℃)で凍結した試料も用意し、凍結条件の違いが乾燥過程や製品品質に与える影響を比較できるよう工夫しました。

 

  実験結果から「なぜ」を考える

 

 乾燥工程の途中では、試料の重量測定を行いました。

 生徒たちは測定結果をもとに、凍結温度の違いによる重量変化の差がなぜ生じるのかについて考察しました。職員のアドバイスを受けながら、凍結温度によって生成される氷の結晶の大きさが異なり、その違いが乾燥のしやすさに影響している可能性について意見を出し合いました。

 また、乾燥を待つ時間には、噴霧乾燥(スプレードライ)の見学や施設見学、職員による業務紹介も行いました。食品関連の試験や研究開発の現場に加え、公設試験研究機関や技術系公務員の仕事についても知ってもらう機会となりました。

 学びと今後の展開

 

 今回の実習では、生徒たちが自ら凍結乾燥機の操作や試料の重量測定を行い、授業で学んだ凍結乾燥の原理を実際の装置や測定結果を通して確認しました。また、凍結条件による違いについて意見を出し合いながら、結果の考察にも取り組みました。

 実習後のアンケートでは、

「試料の外観がだんだん変化していく様子がよく分かった」

「互いに考えを言い合うことで理解が深まった」

といった感想が寄せられ、実習を通じて凍結乾燥への理解を深めてもらう機会となりました。

 今回凍結乾燥したメンマは、2学期以降の授業で調理や試作に活用される予定であり、今回比較した凍結条件の違いが食感や風味にどのような変化をもたらすのかを確認しながら、メンマの品質向上に向けた検討が進められます。

 

 当センターとしても、今回の実習を通じて生まれたつながりを大切にし、須知高校が進める地域資源活用の取組に引き続き協力していきたいと考えています。今後は、凍結乾燥メンマの評価結果も踏まえながら、品質向上や活用方法について一緒に検討を進めるとともに、新たな課題が生じた際には技術的な観点から連携して取り組んでいく予定です。