どのような経緯でセンターを利用しましたか？

当社はゴム・樹脂などの高分子材料を用いた機能性部品の製造を行っており、複写機などOA機器用ローラー部品、産業機械向けの精密ゴム部品などにおいて国内外で高いシェアを持っています。これらの製品は、寸法精度や表面状態、耐久性が極めて厳しく求められるため、製造現場では品質管理を徹底しています。

しかしながら、一部の製品ロットにおいて、成形後の表面に微細な黒点や変色といった外観異常が発生することがあります。これらの不良は見た目には非常に小さなものですが、製品の信頼性や最終顧客の評価に直結するため、原因の特定と早急な対策が必要です。社内の試験機器では原因の特定に至らなかったため、センターに相談しました。

 センターでの解析内容はどのようなものですか？

不良が確認された複数の製品サンプルについて、まず走査電子顕微鏡による不良箇所の表面観察及び元素分析を行いました。微細な繊維状物質で、炭素や酸素が検出されたことから、有機系の異物の可能性が考えられました。

次にフーリエ変換赤外分光光度計により異物分析を行ったところ、セルロースが検出され、発塵物として付着した可能性が考えられ、製品の品質には問題ないことが確認できました。

 課題や取組みなど今後の予定は？

複写機のローラー部品などの既存製品に加え、EV用のバッテリー部品の生産を強化しています。電池用ガスケットであれば、高精度な樹脂成形技術を活かし、気密性・液密性・絶縁性に優れたガスケットを提供。これにより、電解液の漏れ防止や外部からの水分侵入を防ぎ、電池の長寿命化と安全性向上に寄与しています。近年では京都長田野工場の設備の増強や、枚方新工場の竣工などによりPHVやEV用の樹脂成型品の生産能力の拡大を図っています。

　　　　　　有しており、ハードディスクドライブの重要な樹脂部品の生産を手がけています。

 

ヤマウチ株式会社 所  在  地　　福知山市 事業内容　　高付加価値ゴム・樹脂部品の開発製造 ウェブサイト　　https://yamauchi.co.jp