産学連携による半導体薄膜塗工技術の開発 (プラスコート株式会社)

プラスコート株式会社

産学連携による
半導体薄膜塗工技術の開発

延ばしても断線しない耐ストレッチ導電性フィルム

塗布装置を用いた開発

 どのような経緯でセンターを利用しましたか?

 当社は、1984(昭和59)年の創業以来、プラスチックへのコーティング加工を行っています。リーマンショックの影響で経営が非常に厳しくなった時に、「他社がやっていないことをやる」と考えてクリエイティブ事業部を立ち上げ、メーカーにはない塗料の開発から始めました。
 技術センターけいはんな分室の働き掛けで当社が発起人の一人となって2011年に京都大学宇治キャンパス産学交流企業連絡会を設立し、京大宇治キャンパスを核に産学公連携によって技術革新を起こしていくことを目的に、互いを知る、意思疎通のできる関係づくりということで交流会を開催しています。その中で、「塗って作製できるフィルム型太陽電池」の開発に取り組んでおられた京大化学研究所の若宮先生との出会いがありました。

 研究開発の内容はどのようなものですか?

 京大COIプロジェクトにお誘いいただき、「ペロブスカイト太陽電池」の開発と事業化で連携し、高純度化前駆体材料による高品質半導体薄膜塗工技術を開発しました。プロジェクトに参画されている大手企業の方とも深いつながりができ、プロジェクトは2021年に終わっていますが、商売にもつながっています。

 課題や取組みなど今後の予定は?

 力を入れているのが電磁波シールドコーティングです。絶縁体であるプラスチックに導電性の被膜を形成することで電磁波を遮蔽するもので、医療機器や計測機器等に採用されています。小ロットでもお客様のニーズに応え、楽器用などニッチな用途にも対応したオリジナル製品の販売は、コーティングまで一貫してできる当社の強みになっています。最近では、耐ストレッチ性があり、伸ばした状態でも導電性を維持するフィルム及びその原料となる導電ペーストを開発しました。この技術を活用した試験販売と実証試験段階の物があり、これから開発が始まる案件もあるので、採用を楽しみに開発に取り組んでおります。

 

京都大学宇治キャンパス産学交流会

京都大学宇治キャンパス産学交流企業連絡会、公益財団法人京都産業21との共催により、京都大学宇治キャンパスにある4研究所(エネルギー理工学研究所、生存圏研究所、防災研究所、化学研究所)との産学交流会を開催しています。

 

ウェブサイト  https://www.kptc.jp/sangakukou/kyodai-uji/

 

プラスコート株式会社

所  在  地  久御山町

事業内容  プラスチックのコーティング加工

ウェブサイト  https://plascoat.co.jp

 

※ 「産学連携による半導体薄膜塗工技術の開発 (プラスコート株式会社)」pdf資料は、こちら