クリエイティブ京都M&T 2023年秋号(No.177)

♦研究報告

音声を用いたレトロフィットIoTの開発

 本研究では情報ポートを持たない機器のIoTの手法として、音声認識と画像認識の2つの技術を融合したシステムを2例作成し、検討を進めました。その結果、両者技術がお互いの短所を補完することで片方の技術だけの場合よりも安定したシステムが構築できることが認められました。ここではその作成例の内、「薬品管理システム」の「音声入力」について紹介いたします。

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♦研究報告(委託研究)

新規狭帯域バンドパスフィルタの検討

 光導波路薄膜表面にサブミクロンサイズの微細周期構造の加工を施すと、空間光入射に対して狭帯域なフィルタ特性が得られます。このようなフィルタリング現象は「導波モード共鳴」と呼ばれます。我々のグループは、新規構造による入射角度低依存の導波モード共鳴バンドパスフィルタを提案しています。本研究では特性評価用の素子作製に先駆けて、シリコン基板への電子ビーム直接描画リソグラフィと反応性イオンエッチングによる微細周期構造の作製を検討しました。

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♦技術トレンド

生成AI時代を生きる ~ChatGPT活用のリスクと可能性~

 2022年11月30日にChatGPTが公開され、生成AIは大きな注目を集めています。日本の民間企業や行政機関においても事業の高度化・効率化を目指し、ツールとしての生成AIの導入や実証実験の取組が始まっています。生成AIは生産性や付加価値を高めるための道具になり得ますが、一方で、使い方を誤ると包丁や自動車のように取り返しのつかない事故につながるかもしれません。ChatGPTを題材にリスクと活用場面について紹介します。

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VR技術の進化と向かう先 京都府中小企業技術センターの関連研究と新技術から見えてくるもの

 メタバース、VRなど仮想現実を利用した新たなビジネストレンドについて、様々な場所や分野で語られて来ました。しかし注目度や参加人数などの話題ばかりが先行して、実質的な収益につながっている事例はまだ当初予想されていたほど見出せてはいません。また、ここにきて改めてリアル(現実)の良さや実体験の価値が見直されていることもある中で「本当にこれで何をしたいのか?」VRについての明確な答えは出ていなくても、過去の経験も踏まえつつ今後予想される技術の進化と向かう先、方向性などについて、改めて一度立ち止まって考えてみたいと思います。

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Design Thinking!(2) “察する”ことからデザイン思考を始める

 前例のない課題。未知の問題。それらに対しデザイナーの思考プロセスを活用して解決を図る、それをデザイン思考と呼んでいます。デザイン思考は大雑把に云うと4つのステップに分けられますが、その最初のステップが“察する”ことです。対象の動きを観察し、気持ちを洞察し、本質を推察して問題を提起し定義する。観察、洞察、推察。今回はこの“察する”といことについて考えてみます。

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♦機器紹介

EBSD法による材料のミクロ組織解析

 材料の強度などの性質は主に「化学組成」と結晶粒径などの「ミクロ組織」で決まります。金属やセラミックスなどのミクロ組織を評価する方法として、EBSD(電子線後方散乱回折:Electron BackScatter Diffraction pattern)法が広く用いられています。今回はEBSD法によるミクロ組織の代表的な解析事例について紹介します。

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♦技術センターから

令和5年度ものづくり先端技術セミナー(12/15開催)『テラヘルツテクノロジー 2023』

 次世代通信として期待される『テラヘルツ波』を活用した研究を紹介!
 近年になり、300GHz近傍のテラヘルツ帯を用いた次世代通信規格であるBeyond5G(B5G)へ世界的な注目が集まっています。国内においても通信関連の大企業を中心とするB5Gコンソーシアムが発足されるなど、2030年頃の社会実装を目指して通信技術をはじめとして、材料等の周辺技術にまで広がる開発が始まっており、大きなビジネスチャンスとして捉えられています。
 本セミナーでは、テラヘルツ分野のトップランナーによる今後の展開予想を含む基調講演のほか、テラヘルツ帯を活用した先進的な研究開発事例の紹介、装置メーカによる技術トレンドを解説いたします。

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♦技術センタートピックス

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