クリエイティブ京都M&T 2022年秋号(No.173)

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♦研究報告

液中パルスプラズマを用いた難分解性有機フッ素化合物の分解における
操作因子の検討

 撥水剤や界面活性剤、半導体製造用の表面処理剤などに使用される有機フッ素化合物は環境中で分解されにくく、高い蓄積性を有することから、効率の高い処理技術が求められています。本研究では液中パルスプラズマを用いたペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の分解を効率化するため、操作因子の影響を評価しました。

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CAEを用いた異方性材料の強度解析手法の検討

 3Dプリンタの造形物、特に粉末床溶融結合方式やFDM(熱溶解積層方式)による造形物は、積層方向により造形物の強度が異なる異方性材料であることが知られています。この材料の異方性がどの程度強度に影響するかは造形方式等によって異なるため、製品の設計段階でCAEを用いた強度解析を行う際には、材料の異方性をどのように設定するかが重要となります。本稿では、CAEを用いて異方性材料を強度解析するうえで必要な機械的性質等の条件について、強度試験の結果と比較しながら検討を行いました。

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種々の高分子材料の広域分光分析とデータベース化に関する研究

 本研究では、市販されている高分子材料(ABS、PMMA、PC、PVC、POM、PE、PA、PP)について、代表的な劣化要素(熱、紫外線、薬品、温水)により試験を行いました。その上で、当センターが保有する機器を用いて、紫外・可視帯からテラヘルツ帯までの広い波長帯で測定を行い、各種劣化による影響について検証しました。

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フリースペース法測定におけるVNAの校正とタイムドメインゲート処理の検討

 当センターではフリースペース法を用いた装置により周波数18GHz~110GHzでの電磁波の吸収率や反射率の測定が可能です。しかし本装置は測定条件によって、反射率の測定値に起伏が生じるなど、適切な測定結果が得られない場合がありました。今回、データ処理方法を変更することで測定の適正化を検討しました。

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♦業務・相談事例紹介

当センターにおけるDXへの活動 -薬品管理システムの横展開-

 毒劇物の取扱いについては「毒物及び劇物取締法」により規制され、適切な保管管理について注意喚起されています。管理簿や帳簿を備えての管理業務は煩雑であり、担当者の負担が大きいという課題があったため、当センターでは以前、電子化するための薬品管理システムを開発・導入しました。この度、そのシステムを本府の別部署である京都府農林水産技術センターに試験導入することとなり、新たな開発を行いました。ここではその内容を紹介します。

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幾何公差の図面指示例と公差域 -平行度の例-

 幾何公差には、基準となるデータム指示が不要な単独形体である形状公差とデータム指示が必要な関連形体である姿勢公差・位置公差・振れ公差が存在します。このうち、データム指示が必要な関連形体である直角度・平行度・同軸度などは、設計時のデータムの設計箇所・条件が加工・計測結果に大きく影響を及ぼします。今回はデータムの設定などにより、公差域がどのように変化するのかを平行度を例にご紹介します。

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♦機器紹介

自動ボンベ熱量計 -燃焼時の発熱量を測定-

 工場などに設置されるボイラーでは石油やガス等の化石燃料を燃焼し熱エネルギーを取り出して利用します。また、廃棄物は減容のために焼却炉で焼却されます。これらの設備を設計するために燃焼設計が行われます。また、近年は、省エネ化のため、燃焼管理が重要になっています。このような設計や管理の際は燃焼させる燃料の発熱量の値が必要になります。今回は、自動ボンベ熱量計による発熱量の測定について紹介します。

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分光光度計による光学特性評価 -顕微紫外可視近赤外分光光度計-

 透過率や反射率を計測する分光光度計は、材料の光学特性を評価する手段として様々な分野で適用されています。 以下に、液晶ディスプレイのカラーフィルターと偏光板の光学特性評価の事例を紹介します。

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♦技術センタートピックス

京都府中小企業技術センター協力会のご紹介

 京都府中小企業技術センター協力会は、会員の皆さまと技術センターとの交流を促進し、共に発展していくことを目的とする会員組織です。活動内容として、情報誌やセンター刊行物の送付、会員交流事業などを行っております。近年の交流事業では、映像制作を支援するセミナー・技術講座や、京都先端科学大学工学部の見学などを行いました。