クリエイティブ京都M&T 2021年秋号(No.169)

 

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♦研究報告

テラヘルツイメージングによる樹脂接着層の温水劣化挙動のin-situ評価

 本研究では、ポリプロピレン板をシアノアクリレート系接着剤で接合した試験体について温水浸漬試験を行い、テラヘルツイメージングによって被着材層間に存在する接着剤の温水劣化挙動を非破壊で評価し得るかを検討しました。その結果、接着部に内包される剥離等の欠陥及び加水分解に伴う脱離現象が、透過率をパラメータとすることで非破壊で観察できることが明らかとなり、従来まで難しかった接合下にある接着剤のin-situな評価手法としてテラヘルツイメージングを適用できることが分かりました。本稿では、得られた結果の一部についてご紹介します。

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ICT技術を活用した企業業務補助システムの開発

(音声入力型在庫管理システムの検討)

 

 新型コロナウイルス感染症の影響により、接触の機会をできうる限り減らしたニューノーマル社会に対応したインフラや機器の需要が高まって来ています。そこでは最新の画像処理を援用した技術などをはじめとした様々なICT技術が有望視されていますが、スマートスピーカーに代表される音声によるICT技術も重要です。本研究では、ものづくりの現場で容易に導入できるよう、廉価で簡便な音声を使った入力システム開発の可能性を検証するべく、在庫管理を念頭に音声入力を擁するシステムの構築を試みました。

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♦技術トレンド

クラウド(cloud)とオンプレ(on premises)
それぞれのセキュリティとコストについて

 近年、クラウド(cloud)という言葉をよく聞くようになりました。クラウドとはインターネット上のサービスを利用する形態を指します。一方で、皆さんはオンプレという言葉をご存じでしょうか?オンプレとはオンプレミス(on premises)という言葉の略で、「自社保有」という意味があります。クラウドとオンプレは、システムを導入する際によく比較検討されます。本記事ではクラウドとオンプレの現在の特徴について、簡潔にご紹介します。

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♦業務・相談事例紹介

蛍光X線分析とデータの見方について

 蛍光X線分析装置は工業材料の分析によく使用されます。蛍光X線の発生原理は次のとおりです。試料にX線を照射すると、原子が励起されて内殻軌道の電子が飛び出し、空いた軌道に大きなエネルギーをもった外殻電子が移動します。電子の移動に伴いX線が発生し、このX線(蛍光X線)のエネルギー(波長)及び強度から定性及び定量分析を行います。
 蛍光X線分析の特徴は、導電性のない試料でも分析でき、感度・分解能がよいため微量元素の検出が可能なことです。操作が比較的簡単で、データも比較的わかりやすいので、幅広い分野で使用されています。
 しかし試料の調整や結果の解析には注意すべき点もあります。今回は波長分散型蛍光X線分析装置について、事例を交えて注意点をご紹介します。

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♦技術トレンド寄稿

新しい電析・電気めっきにかかわる研究の紹介

 電気化学があつかう現象に電析があります。金属イオン種を含む溶液を電解し、酸化還元反応を介して物質を析出させる手法です。電解のかわりに還元剤を用いたり、電極素地との置換反応を使って析出させたりすることもあります。いずれにせよ、電析は工学のさまざまな場面で活躍する要素技術です。多くの電析では水溶液を使います。一方で、電析しようとする物質が水を嫌う場合には非水溶液が選ばれます。本稿では、筆者の研究室で行っている電析研究を2つ紹介します。

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♦業務・相談事例紹介

幾何形状の評価におけるデータム設定の重要性について(同軸度の例)

 幾何公差には、基準となるデータム指示が不要な単独形体である形状公差とデータム指示が必要な関連形体である姿勢公差・位置公差・振れ公差が存在します。このうち、データム指示が必要な関連形体である直角度・平行度・同軸度などは、設計時のデータムの設定箇所・条件等が加工・計測結果へ及ぼす影響が大きくなります。今回は、データムの設定の仕方により、評価がどのような影響を受けるのかを同軸度を例としてご紹介します。

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♦技術センタートピックス

産業技術支援フェア in KANSAI2021に出展します