ものづくり基盤技術セミナー 30年度事業実績

第1回  2018年7月27日(金) 14:00~16:30                          
内容

「生分解性高分子の化学修飾による複機能性高分子材料の創製」

   奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 研究推進部門
    先端科学技術研究科 物質創成科学領域 ナノ高分子材料研究室
     特任准教授 網代 広治(あじろ ひろはる)氏

 医用材料や環境適合材料として用いられる生分解性高分子について、付加的な機能性を付け加えるために様々な化学修飾を行って合成した複機能性高分子材料について紹介します。
・ポリ乳酸の末端に種々の置換基を導入し、さらに高分子間相互作用によりステレオコンプレックス化を行った例
・ポリトリメチレンカーボネートの側鎖にエステルフリー型構造で感熱応答性置換基を導入した生分解性感熱応答性高分子の例 など

第2回  2018年9月18日(火) 14:00~16:30
内容

「ナノセルロースの産業展開~基礎・応用・課題~」

   国立研究開発法人 産業技術総合研究所 中国センター
    機能化学研究部門 セルロース材料グループ グループ長 遠藤 貴士 氏

 ナノセルロースは、その高強度・高弾性などの特徴的な物性から、多様な分野への応用が期待されています。産総研においても、木材からの直接的ナノセルロース製造技術、樹脂・ゴムとの複合化技術、特性評価技術の開発を進めています。これら手法で得られた複合材料は少ないナノファイバー添加量で強度物性が向上し、さらに高い伸び物性と成形加工性も発揮させることができました。企業等との連携で、成形品試作も積極的に行っています。

第3回  2018年11月30日(金) 14:00~16:30
内容

「構造接着技術の最近の動向」

   東京工業大学 科学技術創成研究院  准教授  佐藤 千明 氏

 自動車からか航空機まで、構造接着技術の適用範囲は増加しています。この理由は、接着剤の性能向上もさることながら、異種材料接合が容易に実施可能であるという、接着本来の特徴に起因しています。
一方、異種材料接合固有の問題点、すなわち熱応力や熱変形、さらに電食は、接着でも依然大きな問題であり、この解決が望まれています。本公演では、構造接着技術の基礎から、最近の動向、さらに将来の展望について紹介します。

第4回  2019年1月24日(木) 14:00~16:30
内容

 「大気圧プラズマの基礎と産業応用事例」

    公益財団法人名古屋産業振興公社 
     工業技術振興部 産業応用課  課長  高島 成剛 氏   

 「プラズマとは何か」、「プラズマで何ができるか」についての基礎的な説明をし、“ものづくり”の現場への導入が簡便かつ安価にできる大気圧プラズマの発生原理や各種発生方式、そして産業利用されている代表的な大気圧プラズマ装置の紹介をします。また、プラスチックの接着接合強度を増強する接着前処理への利用とそのメカニズムの解明など、大気圧プラズマ技術・装置の産業応用の事例と最新技術についても紹介します。