ものづくり基盤技術セミナー 29年度事業実績

第1回  2017年7月18日(火) 14:00~16:30                           
内容

「新規有機エレクトロニクス材料の合成と応用」

  奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科  教授 山田 容子 氏

 高性能な有機エレクトロニクスを実現するためには、低分子有機半導体材料の構造とともに、薄膜中でのパッキング構造が極めて重要な鍵を握ります。また、溶液プロセスで成膜すること、重ね塗りにより積層させることは、有機半導体材料の可能性を飛躍的に拡大します。本講座では、高性能な有機エレクトロニクス材料を実現するために必要な、分子構造、薄膜構造、成膜プロセスなどについて基礎から応用まで概観します。

第2回  2017年9月28日(木) 14:00~16:30
内容

「工業製品や部材の長もちの科学」

  京都工芸繊維大学 
   大学院工芸科学研究科 繊維学系 先端ファイブロ科学専攻  教授 
   長もちの科学開発センター長  西村 寛之 氏 

 大量生産・使い捨ての時代から、良い製品を長く大事に使っていく時代に変わりつつあります。日本の工業製品は安心して、長く使用できる大きな強みを持っています。長もちの科学とは、この工業製品が設計通りの機能や耐久性を持つことを確認する科学です。工業製品の設計思想をよく理解して、もし使用中に不具合が発生した場合、不具合の原因となる劣化機構の調査や分析をまず行い、劣化因子、劣化機構の解明を実施し、劣化現象を再現できる促進試験方法を考案していくことであり、工業製品を陰で支える技術であるとも言えます。

第3回  2017年11月30日(木) 14:00~16:30
内容

「繊維強化複合材料用マトリックス樹脂」

  兵庫県立大学大学院 
   工学研究科 化学工学専攻  教授 岸 肇 氏 

 炭素繊維を強化材とし高分子(樹脂)をマトリックスとする炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、高強度・高剛性を特徴とする軽量構造材である。航空・宇宙機器、釣竿・ゴルフクラブ・テニスラケット等のスポーツ用品、車輛、建材、環境・エネルギー方面等、様々な産業に用途が拡大している。本講演では複合材料用マトリックス樹脂に焦点をあて、その役割や要求特性を解説した後に、アクリル樹脂をマトリックスとした最近の我々の研究についても紹介します。

第4回  2018年1月25日(木) 14:00~16:30
内容

 「ワイヤレス給電の基礎とその魅力的な利用法」

  株式会社リューテック  
    代表取締役  粟井 郁雄 氏(山口大学 名誉教授)

 ワイヤレス給電は、いま世界を挙げて研究が進められているが、それでなくてはならないといったキラーアプリの提案がまだそろっていないように見える。そこで我々は、あまり人々が取り上げない新しい応用法の提案とそのための技術的な基盤確立に励んでいる。これらは、用途が日常生活にあまり近くはないがまさにワイヤレスの強みがいかされる応用であり、それ故にこそワイヤレス給電の原理がよく理解できる例であると信じている。ワイヤレス給電の基礎とその魅力的な利用法を紹介します。