ものづくり基盤技術セミナー 27年度事業実績

第1回  2015年7月27日(月) 13:30~16:30                           
内容

「機能性有機薄膜の分析・評価・デバイス応用」

  奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 特任教授  中村 雅一氏

 近年、機能性有機薄膜はめざましく進歩し、軽量性、柔軟性、分子設計の 多様性等の利点を生かして、EL素子、薄膜太陽電池、トランジスタ、熱電 変換素子等への応用が活発に研究され、既に一部は実用化されています。

 本講演では、若手やこれからこの分野に参入する研究者・技術者の方々を 対象として、機能性有機薄膜の作製・デバイス応用・分析・評価について 具体例を挙げつつ解説します。
本講演を通じて、中小・ベンチャー企業による京都府中小企業技術センターや 本学ナノテクノロジープラットフォームの装置活用につなげていただけると期待します。

第2回  2015年9月29日(火) 13:30~16:30
内容

「プラスチックは壊れてしまう」~プラスチック・ゴム材料の劣化に関する基礎~

  立命館大学 理工学部機械工学科 教授 小西 聡氏

 マイクロマシンの分野では、半導体のシリコンを主材料としたマイクロセンサやマイクロアクチュエータの開発、応用が進んできた、一方、新たに注目を集めているバイオメディカル分野では材料やスペックへの要求が少し異なる。私たちもシリコーンラバーをはじめとするポリマー製のシンプルでスマートなデバイスを用いて、マイクロマシンのバイオメディカル応用を進めている。

 本講演では、こうした状況について詳しく説明する予定です。

第3回  2015年10月21日(水) 15:00~17:00
内容

「シンプルでスマートなマイクロマシンのバイオメディカル応用」

  国立大学法人京都工芸繊維大学 材料化学系 准教授 坂井 亙氏

 プラスチックが我々の生活必需品の素材として、広範囲で使用されるようになった背景のひとつには、その耐久性の著しい向上が挙げられます。
現在、プラスチックやゴム製品には劣化を防止するための様々な薬剤が添加されています。しかし、実際にどのような反応を通じて劣化が起こるのかは、学術的にもまだまだ不明な点が多く、生産の現場では対処療法的な処置がなされていると聞きます。

 本講演では、プラスチックやゴムの劣化について、その現象例や反応論的考察に関する基礎知識の解説を行うとともに、最近の学術的な研究例についてもご紹介します。

第4回  2015年11月25日(水) 13:30~16:30
内容

「異種材料接合の現状と今後の展望」

  大阪大学 名誉教授(現在、大阪大学 接合科学研究所 特任教授) 中田 一博氏

 車体の軽量化等の観点から各種構造材料を適材適所で組み合わせる「マルチマテリアル化」が注目されている。そのために必要不可欠な異種材料接合について、金属、樹脂、セラミックなどを対象に、異種金属材料間の接合の可能性と、特にアルミニウム合金と鉄鋼材料の異種材料接合技術の現状、ならびに金属と樹脂(CFRP)間の異種材料接合研究の現状などについて概説する。