
この装置は、照射したX線が物質によって回折される現象を利用して、主に無機物質(金属、簡単な有機化合物)の結晶構造を解明することで、試料の定性・定量分析を行います。
薄膜や金属・セラミックス、粉体などで結晶質の材料について、どのような物質かを調べる定性分析、結晶の配向性(極点図)や歪、結晶の格子定数などの結晶の状態や構造の解析を行うことが可能で、数nmから100nm程度の微粒子粒径分布の測定も行うことができます。
また、最小口2mmの微小領域測定を行うことができ、少量の試料や材料の一部分のみの解析に対応可能です。
簡易な定性分析であれば最大160°/分の高速度測定を行うことができます。
- メーカ・型式
- 株式会社リガク
RINT-UltimaⅢ - 性 能
- 集中法、平行ビーム法、薄膜斜入射、極点図、X線小角散乱の各測定に対応
Cu管球(40kV,40mA)
測角範囲:0°~130°(2θ) - 設置年度
- 2004年
- 担 当
- 応用技術課 表面構造係
TEL 075-315-8634 FAX 075-315-9497
E-mail ouyou@kptc.jp - 使用料(基本額)
- こちらをご覧ください
- 公益財団法人JKA補助機器(競輪補助物件)
活用事例
有機物、無機物の化合物の化学結合状態の解析、物質の同定、結晶性や配向性を調べる場合に用います。
試料にX線を照射し、回折するX線の角度を測定して試料の結晶構造を調べるものです。結晶性がないとシャープなピークが得られません。
工業材料の結晶解析の他、皮膜の加熱による結晶性の変化やめっき条件による配向性の違いを調べるのに利用できます。
- 結晶構造・化合物の同定
- 薄膜物質の同定、結晶性の評価
- 残留応力測定、極点図測定、小角散乱測定
- 結晶構造の定量分析
X線回折法とは
結晶構造をもつ試料にX線を照射すると、ブラッグの反射条件又はラウエの回折条件に従って、その結晶に特有の回折パターンが得られます。
この原理を用いて結晶の構造解析を行うことを、「X線回折法」といいます。
X線回折法の最大の特徴は、単体や化合物の種類が同定できることです。
広く利用されている「蛍光X線分析法」では、含有する元素の種類と量とを知ることができますが、化合物等の種類の同定は困難です。例えば、鉄の酸化物を分析した場合、蛍光X線分析法では「Fe(鉄)」「O(酸素)」を検出できますが、X線回折法では「FeO」「Fe203」「Fe304」のいずれの結晶構造を持った化合物であるかを知ることができます。
分析・解析技術が多彩で、種々の物性測定や構造解析が可能なこともX線回折法の特徴です。
集中法、平行法、視斜角入射法など複数の光学系の切換により、結晶相の同定、定量 、結晶構造精密化(リートベルト解析)、格子定数の精密測定、結晶化度測定、極点図測定、残留応力測定、動径分布測定、小角散乱測定など、様々な測定・解析が行えます。
(測定・解析方法については、JISK0131「X線回折分析通則」を参照してください。)
(検索ワード:非表示)XRD,XRD
参考情報